株式会社ファイントゥデイ(本社:東京都港区、代表取締役 社長 兼 CEO 小森哲郎)は、ヘアケア業界で初めて※アイトラッキング技術を用いてヒトの毛髪観察時の視線の動きを研究し、新規毛髪評価法の開発に向けた検討を行いました。
今回の研究成果は、第26回日本感性工学会(2024年9月12日~14日・東京都)にて発表しました。
これまでヘアケア製品の評価は、ウィッグや自分の髪の手触りといった部分的な質感に対して、専門家が主観的な解釈を必要とする評定語(「つやつや」「さらさら」「ぱさぱさ」「しっとり」など)を用いて評価を行うのが一般的で、評価者によるブレが生じる可能性があること、評価には専門スキルが必要であること、また、消費者の視点が不足していることが課題でした。
■研究内容
当社は、ヘアスタイル全体をより消費者視点で客観的に評価する方法としてアイトラッキング技術を応用し、新規毛髪評価法の開発に向けた検討を行いました。人の目の動きを記録するアイトラッキング技術は、広告やマーケティングをはじめ、さまざまな分野で活用されています。本技術は、言語での判定ではなく、本人の興味を視線でトラッキングすることから、消費者視点でのデータ取得が可能であること、判定に専門スキルが不要であること、観察の過程も追跡できることから、本研究に有用であると考えました。
本研究では、一般の日本人女性40名に異なるヘアスタイルを見せ、視線の動きを計測しました。結果の一例として、見せた画像(図1)に対して評価者の視線の局在を色で示すと(図2)、右側のブリーチを繰り返した髪の毛流れがわかりやすい部分に視線が集中しました。他にもいくつか髪の写真を評価したところ、うねりやぎらつきなどの変化をつけた部分に視線が集まりました。画像に対する嗜好性を質問した結果、嗜好性と視線の集中や視線の速度に相関があることがわかりました。このことから、アイトラッキングはヘアスタイルに対する潜在的な好ましさ、あるいは好ましくなさを客観的に評価できるツールとして使用できると考えられます。また、アイトラッキングを使用することで、その人の潜在的な髪悩みを顕在化させることが期待できます。 ■今後の展望
本研究によりヘアスタイル全体の客観的な評価方法を確立することで、従来のアンケート調査では見えてこなかったターゲットの潜在ニーズを抽出し、製品開発への応用を目指します。
当社グループは今後も、「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」というパーパス(存在意義)のもと、美意識を礎とした研究開発と製品開発により、お客さまの課題に寄り添った新しい価値を提供することに挑戦します。
本研究は、当社の研究開発拠点「ファイントゥデイ ビューティーイノベーションセンター(BIC)」で実施しました。2023年7月に東京・豊洲で誕生したBICは、本社(東京都港区)および生産拠点であるファイントゥデイインダストリーズ(埼玉県久喜市)からもアクセスが良い都市型ラボです。 最先端の技術やトレンドが集まる利便性を生かし、さまざまな企業や研究機関との交流・連携等により、迅速で革新的な研究開発を目指します。
※ 2024年9月9日時点(ファイントゥデイ調べ)
公式ウェブサイト:https://www.finetoday.com/
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