株式会社ファイントゥデイ(本社:東京都港区、代表取締役 社長 兼 CEO:小森哲郎、以下「当社」)と国立大学法人 京都工芸繊維大学(所在地:京都府京都市、学長:吉本昌広)は共同で、デジタル機器を活用して再現した日常のさまざまな場面の視覚情報が嗅覚に与える影響を調査し、その成果を日本味と匂学会第60回大会(2026年9月9日~11日・岩手県)と第28回日本感性工学会大会(2026年9月16日~18日・東京都)にて発表しました。
■背景
当社は、「エージーデオ24」など生活者のみなさまのニオイ悩みに寄り添うブランドを展開する企業として、ニオイについてのより深い理解や知見を得るべく、多様な観点から研究に取り組んでいます。
これまで当社では、主に不快なニオイそのものにフォーカスし、その発生や知覚を抑制するための研究開発を行ってきました。一方で、人が感じる不快な感情はニオイそのものだけでなく、周囲の環境や状況などの様々な要因との相互作用によって変化する可能性があります。
そこで今回、当社と京都工芸繊維大学の研究チームは、これまで十分に解明されてこなかったこうした要因への理解を深めるため、空間的・環境的な視覚情報が嗅覚に与える影響について研究を行いました。
■研究①(日本味と匂学会第60回大会にて発表)
実験方法:
20~30歳代の日本人女性27名を対象に、視覚情報とニオイを組み合わせた心理実験を実施しました。視覚情報にはヘッドマウントディスプレイを用いて、他者が存在する屋内および屋外環境の360度画像を提示し、現実に近い臨場感のある視覚環境を再現しました。そのうえで、各環境において、ニオイ発生装置を用いて「汗臭」「生乾き臭」「フローラル調の香料」「無臭」の4種類のニオイを提示し、ニオイと視覚情報が気分の快適度に与える影響を心理評価尺度により評価しました。

不快なニオイであっても、その種類によって周囲の環境から受ける影響が異なることがわかりました。具体的には、汗臭では屋内と屋外で快適度に大きな違いはみられなかった一方、生乾き臭では屋外環境の方が快適に感じられる傾向がみられました。また、フローラル調の香りでは環境による大きな違いはみられず、無臭では屋外環境の方が快適に感じられました。
これらの結果から、ニオイに対する感じ方は、ニオイそのものの快・不快だけでなく、そのニオイが連想させる発生源や周囲の環境との組み合わせによっても変化する可能性が示唆されました。

■研究②(第28回日本感性工学会大会にて発表)
実験方法:
19~25歳の日本人男女30名に対し、他者の存在や混雑度といった要素が気分やニオイの快・不快度に与える影響について心理実験を実施しました。VR空間に「満員電車」と「無人の電車」の2環境を再現し、ヘッドマウントディスプレイ上に投影しました。そのうえで、ニオイ発生装置を用いて、各環境下で汗臭あり・なしの2条件を提示し、ニオイの快・不快度と研究①と同様の気分の快適度を評価しました。

「汗臭なし」の環境下では、実際には不快臭を提示していないにもかかわらず、「無人の電車」よりも「満員電車」の方がより不快に感じる傾向が認められました。また、汗臭提示条件においては、「満員電車」よりも「無人の電車」の方が、ニオイをより不快に感じる傾向が認められました。これは、満員電車では視覚的な混雑環境の影響により注意が分散するなどし、無人の電車と比較して、ニオイが意識されにくくなった可能性が考えられます。
これらのことから、同じニオイ環境でも、周囲から得られる視覚環境によって、快適度に差が生まれることが確認されました。
■考察
このたびの研究から、ニオイによる気分の快適度は、場所や他者の存在といった環境的、社会的な視覚情報の影響を受けることが示されました。
■今後の展望
今後は、社会的・環境的要因や個人差などにも着目しながら研究対象を広げるとともに、現実の生活環境における検証も進め、ニオイの感じ方に関する理解の深化に取り組んでまいります。
当社は、「世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすること」というパーパス(存在意義)のもと、使うことで気持ちが前向きになるような、単なる日用品を超えた「日用美品」をお届けしています。
パーパスの実現に向け、研究で得られた知見を活かし、生活のさまざまなシーンに対応した多様なニオイ対策製品の開発に取り組むことで、生活者のみなさまのお悩みの解消に貢献してまいります。
<関連URL>
公式ウェブサイト:https://www.finetoday.com/
■ファイントゥデイグループについて
ファイントゥデイグループは、2021年に資生堂のパーソナルケア事業から独立して創業しました。
私たちは、世界中の誰もが、素晴らしい一日を紡ぎ、いつまでも美しく、豊かな人生を送れるようにすることをパーパスに掲げ、その達成に向けて地球環境および社会の持続可能性と、収益性ある成長を一体化させて推進しています。
私たちのDNAに由来する美意識は、洗練されたオペレーション、独自の価値提供、グローカルな行動様式などに受け継がれています。
私たちは、世界中の人々にときめきを通じてウェルビーイングを届ける、アジアNo.1の日用美品の創造企業となることを目指しています。