目指すのは、お互いの強みで
お互いの弱みを補い合える組織。
外資系日用消費財メーカーにて洗剤・柔軟剤や化粧品などのマーケティングを経験後、資生堂ジャパンへ入社。「uno」や「SENKA」、高価格帯の「HAKU」「dプログラム」といったブランドを担当し成長へ導く。その後2021年にファイントゥデイへ転職。現在は全ブランドの統括や人財のマネジメント・育成を手がける。
「機能性の高さ」と「ワクワク感」を兼ね備えた製品が、長く愛される。
ファイントゥデイが資生堂から分社化した際、私は資生堂が手がける「HAKU」「dプログラム」といった高価格帯ブランドのマーケティングを担当していました。高価格帯ブランドは事業継承の対象ではなかったのですが、新会社立ち上げの話を聞きつけた私は、自らの意志で一度退職しファイントゥデイに転職することを決意しました。両社が取り扱うブランドの価格帯は異なりますが、ファイントゥデイの「uno」や「SENKA」などのように手に取りやすい価格帯で、より多くの生活者に愛される製品を育てていきたい!という想いでこちらの道を選びました。
現在はブランド統括本部の本部長として、ファイントゥデイが手がける全ブランドの統括・管理や人財育成・マネジメントを行なっています。最近手がけているのは、ファイントゥデイが設立して初となる新ブランドの立ち上げ。今店頭に並んでいるどの製品とも違う、“ありそうでなかった”新しいヘアケア製品『+tmr(プラストゥモロー)』を創りました。皆で話し合いながらブランドストーリーを決め、パッケージデザインや製品名にも拘りを詰め込んだ力作です。発売後、生活者の方からどんな反応が来るのかをとても楽しみにしています。
今回リリースしたヘアケア製品を含め、ファイントゥデイの全製品には共通点があります。それは、「機能性の高さ」と「ワクワク感」を両方兼ね備えているということ。これはマーケティングの基礎知識でもあるのですが、単に機能性の高さだけを訴求した“データ的に正しい製品”というのは、実は売れないことが多いんです。その一方、ただかわいい、かっこいいだけの製品も中味のよさが伴わないと長くは愛されません。ファイントゥデイは「機能性」という本質をしっかりと追求しつつ、その上で「使っていてワクワクするポイント」を忍ばせた製品を作るようにしています。
そんな製品を生み出すために必要なのが、多様性のある組織。年齢も性別も価値観も違う人財が多角的にアイデアを出し合うことで、より高い相乗効果を発揮できると考えます。ちなみに私が理想としているのは、某少年マンガの「海賊の一味」のようなチームです(笑)。個性豊かな仲間とともに、それぞれの得意分野で、それぞれの不得意を補いながら目標達成を目指していきたいんです。当社の社員にも、誰にも負けない自分だけの強みを作ってもらいらいと考え、年に一度チーム全員と面談をして「何をしているときが一番楽しいか」「何を夢見ているのか」を聞き、それにあわせたスキルを伸ばせるように育成を行っています。
1度失敗しても、次のトライで成功できたらそれは成功である。
ファイントゥデイの特徴は、新卒入社した1年目の方にも最大限の裁量を与えること。たとえばブランド統括本部では、新人に次の新製品をまるっとリードしてもらう可能性もあります。もちろん、入社したての頃は何もわからないのが当たり前。だからこそ「たくさんチャレンジできる場を設けて、その上でセーフティーネットをしっかり引いてあげること」が重要だと考えています。そのため当社の場合、若手社員は先輩や上司のサポートに付くのではなく、小さなプロジェクトでも何らかをプロジェクトオーナーとしてリードしてもらうことが多いですね。
それだけ自分がリードする機会があると、失敗したらどうしようと不安になりますよね。それは当然のこと。実は私も社会人1年目の時に「一晩で3000万円の赤字を出す」というかなり大きな失敗をしでかしたことがあります(笑)。予算管理を任されていたのですが、突如私が把握していない巨額の請求書が届いたんです。真っ青になりましたが、私は削れそうな支出がないか夜な夜な探して、微々たる削減案を次の日泣きながら上司に提出しました。すると上司は、詰めが甘い部分を叱りながらも「ネクストステップをきちんと考えたのは偉い」と褒めてくれたんです。そして私の削減案にアドバイスをくれて、最終的に赤字はゼロになりました。こんな経験があるので、私は「1度失敗しても、次のトライで成功できたらそれは成功だ」と考えています。安心していただきたいのは、当社は何か失敗があってもすぐ立ち行かなくなるような規模の会社ではないということ。一度転んだとしても、また立ち上がって成功するまで、私たち先輩や上司が粘り強くサポートします。
ちなみに今「上司」という言葉を出しましたが、私は年功序列の組織はあまり好きではありません。私には本部長という役職がついていますが、それでもメンバーには「仕事を助けてくれる先輩」くらいに思っていてほしいです。そもそも、私も全部ができる完璧な人間ではないですからね。私ができないことは、後輩や部下に助けてもらっているんです。前半の話ともつながりますが、上下に関係なく「お互いの強みで、弱みを補い合う組織」を作っていきたいと考えています。
そして、私には2つの夢があります。1つはファイントゥデイのブランドをもっと海外に発信していくこと。そして2つ目が、私以上の力量をもった若手の後輩をできるだけ多く輩出することです。若手人財がもっとリーダーシップを発揮できるようになると、日本から世界に発信していく流れもさらに加速するはず。それが人々の日常生活をより快適に、健やかにすることにもつながると思います。簡単に叶う夢ではありませんが、少しずつ試行錯誤を重ねながら夢の実現に向けて、歩んでいきたいです。