キャリア採用

社員インタビュー

ブランド統括本部副本部長 K.A ブランド統括本部副本部長 K.A

ブランド統括本部
本部長
K.A

Profile|大学卒業後、外資系日用消費財メーカーでマーケティング職につき、数々のヒット商品を手がける。資生堂に転職したのちも、グローバルに横断で支持されるよう複数のブランドを成長させ、2021年当社に入社。

――近年の経済発展で生活水準が向上し、より清潔な生活習慣を望む声が高まるアジア諸国。シャンプーやトリートメント、洗顔の習慣が根づき始めるなど、ライフスタイルに大きな変化が起きています。姿を現しつつあるこの巨大市場に、パーソナルケア先進国・日本で数多くのトップブランドを擁するファイントゥデイが本格進出します。日本で育まれた美をいかに世界各国に届けていくか。ブランド責任者の挑戦は始まったばかりです。

なぜ
No.1ブランドが
多く生まれるのか

――急速に拡大する中国およびAPAC諸国のパーソナルケア市場。ファイントゥデイがもつ数々のブランドには、このフロンティアを開拓する独自の強みがあるといいます。

K.A 「技術や機能に優れたパーソナルケア商品は、世界中にたくさんあります。一方で当社のブランドにはそうした技術や機能に加え、資生堂で長い時間をかけて培われた美に対しての類いまれな知識と経験そしてセンスが込められています。そこが競合ブランドとの大きな差だと考えています」

――人の感性や気持ちに訴えかける美的センスをもつブランド。例えば男性向けヘアケア・スキンケアブランドの「ウーノ」もそのひとつです。

K.A 「もちろん機能面でも高い評価を得ているのですが、競合商品と横並びの状態でブランド調査を実施すると、ウーノは『かっこいい』というイメージがずば抜けて高いんです。そういうお客さまの感性に訴えかけるブランド力は唯一無二だと思います」

ウーノシリーズ

――手にとった人にかっこいい、きれい、かわいいと感じさせるブランド開発は、一体どのようにして行われるのでしょうか。

K.A 「お客さまには感情や生活習慣があり、その習慣さえも変容する中で、どれだけロジカルに数字を積み上げて考えても、計算通りの結果はそう簡単に得られません。まして十人十色の感性に響く商品やブランドの開発は、データやロジックに頼ったアプローチだけでは難しいのではないでしょうか」

――彼女がブランドマネジメントという仕事を「左脳と右脳、ビジネスの側面とイメージの側面と両立させながらつくっていくこと」と定義づけているのは、そのバランスこそがブランドの価値を決定づけると考えているからです。

K.A 「生活者がどう感じるかを知る手法のひとつに消費者調査がありますが、この時も決められた項目をヒアリングし、その言葉をそのまま受け取ればいいというわけではありません。言葉の背景には生活に根付いたさまざまな思いがあり、だからこそ生活者の表情の変化、発する言葉やその言葉選びなどひとつひとつの反応をつぶさに観察しながら、いま開発しているものが目の前の人に驚きや喜びをもたらすものかどうかをしっかり見極めることが重要です。生活者と話をすることは、宝探しだと思っています」

――使った人の心を動かすブランドづくりは、細部にまで及びます。

K.A 「商品を手に持ったときの感触はどうか、長く続けたくなる使用感や香りになっているか、とにかく細部までこだわってつくっています。お客さまがウーノというブランドを通して見るもの、触れるもの、感じるものすべてが『かっこいい』と感じてもらえるかどうかを、あらゆる角度からひたすら追求していくわけです」

――この細部にこだわる企業文化は、資生堂から脈々と受け継がれてきたものです。

K.A 「もともと資生堂は創業者が『商品をしてすべてを語らしめよ、物事はすべてリッチでなければいけない』ということを提唱していた会社です。だから品質には一切の妥協がありません。競争力向上のために機能性や効率化を追求するメーカーは多くありますが、生活者の気持ちに訴え続けるブランドづくりは私たちが長けているところだと感じています」

マーケティング戦略部・ヴァイスプレジデント(VP) K.A

世の生活習慣を
変えてしまう
チャレンジを

――市場トレンドを読むだけでなく、逆にこちら側からより良い生活習慣を提案していく。それがマーケティング担当に求められる力であり、ファイントゥデイだからこそできる仕事の面白みだといいます。

K.A 「私は以前、疑問に感じたことがあります。自分の印象や身なりにまで気が遣えていることは素晴らしいことなのに、なぜ男の人だけメイクやスキンケアをしているとうがった目で見られるのだろうと。もしくは、その習慣を隠さなければいけないのだろうと。もっと自由にメイクやスキンケアが楽しめる世の中になったらいいのにって思ったんです」

――そこで2017年当時に担当していた「ウーノ」を通じ、男性が当たり前にスキンケアをできる世の中に変えるとともに、シェア拡大を目指すプロジェクトを提案。数年が経過した現在、彼女の想いは花を咲かせています。

K.A 「このプロジェクトがスタートした当時、ウーノはスキンケアカテゴリで6位、シェアでは5〜6%しかない小さなブランドだったのですが、今ではシェアは20%以上、トップクラスのブランドになりました。さらにウーノが大々的にスキンケアのプロモーションをすることで、メンズのスキンケア使用率自体の向上にも貢献し、市場もどんどん拡大していっています」

――古くからある「男はこうあるべき」という目に見えないバリアを打ち破ったのは、世の中をもっと自由なものにしたいという願いと、地道な日々の努力でした。

K.A 「賛同いただけるさまざまな企業さまとコラボをさせていただいたり、男性に少しでも興味を持ってもらえるよう、あの手この手のプロモーションを地道に続けてきたことで少しずつ生活習慣が変わり、また周囲の反応も変容していきました。こういった日々の生活をより良いものにするための提案がブランドや新商品を通してできるのがこの新会社のいいところですね」

――確かに大企業しか持ち得ない強みと、ベンチャーならではの風土をあわせもつ珍しい会社です。

K.A 「既に大きなシェアをもつブランド資産があり、プロモーションや新商品に大規模な投資もできる一方で、それぞれの市場でどんな唯一無二の価値を提供していくかをブランドの担当者が提案し、実行していける環境です。加えてグローバルなチャネルも持っていますし、スケールの大きいチャレンジがしやすいというのは大企業ともベンチャーとも違う点だと思います」

マーケティング戦略部・ヴァイスプレジデント(VP) K.A

美意識を活かした
ブランドで、
素晴らしい毎日を

――これまで日本という風土で育ったブランドを、どのようにグローバル展開させていくのでしょうか。

K.A 「私たちは、ありがたいことに日本市場の各カテゴリーでNo.1シェアを取るほど、多くの人から支持されている価値の高いブランドをいくつも持っているので、まずはそれぞれのブランドの価値を他の国の人たちに知ってもらうことで拡大を図ろうと考えています」

――ただし、数々のブランドをそのまま海外に持っていくことはできません。各地域にごとにローカライズしていく必要があります。

K.A 「先ほどのウーノの例ではありませんが、『かっこいい』のイメージは国や地域ごとに少しずつ異なります。どこの国に行っても『かっこいいを提供するブランド』であり続けるためには、どういうカスタマイゼーションが必要なのか、各マーケットの生活者を知り、各国チームの意向も取り入れながら地域にあった展開方法を検討します」

――横断的にブランドをマネジメントする立場である彼女に、最後に今後の目標を聞いてみました。

K.A 「日本でも海外でも、ここ数年はとてつもない勢いで生活環境が変化しています。だからこそ、私たちは生活者の変化に追いつこうとするのではなく、逆に生活者にとって良い変化を先んじて生み出すようなマーケティングやブランドづくりに取り組んでいきたいと考えています。毎日の生活を豊かにする素晴らしい製品を通して、機能だけではない日本の美意識を反映したクオリティの高いブランド体験を提供することで、素晴らしい毎日をつくり、トレンドを生み出していける部分がこの仕事の魅力だと感じています」

マーケティング戦略部・ヴァイスプレジデント(VP) K.A

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