世界中の人の美容習慣に
変革をもたらす第一歩を、私から。
2022年9月に中途入社。前職では、サロン専売のヘアケアメーカーにて、エイジングケアブランド立ち上げにあたっての基礎研究・開発を経験。2018年には化粧品の研究技術や成果を競う世界大会「国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)」で最優秀賞を受賞する。その後BtoCのマーケティングに興味を持ち、ファイントゥデイへ参画。現在は、+tmr 、fino、TSUBAKI、の製品設計やプロモーション戦略策定支援のほか、ヘアケア以外のカテゴリーの製品開発にも挑戦中。
研究×マーケティングで、美容業界の「もったいない」を解消したい
私の前職は、サロン専売ヘアケアメーカーの研究員です。約12年在籍し、多くの時間をエイジングヘアケアブランドの立ち上げに向けた「基礎研究」に費やしました。モニター数千人の頭皮や髪の毛を調査し、ひたすらアンケートを取っていく…という地道な研究の末に製品を開発した結果、見事ヒットして大きな成功を収めることに。それまで前職の会社では基礎研究にあまり重きを置いていなかったのですが、このヒットをきっかけに基礎研究専門の部署も立ち上がるほどでした。とても充実した日々だったと、今振り返っても思います。
ではなぜ転職したかというと、現状の美容業界に「もったいなさ」を感じたからです。基礎研究を行っていると、頭皮や髪についての耳寄りな知識・情報がたくさん得られるのですが、そのほとんどは研究者や美容師の間で共有されるのみで、世間一般にまで届いていなかったんですね。また、BtoB企業だと生活者の声を直接聞ける機会がなく、あまり手応えを感じられずにいたのも転職のきっかけになりました。
あまり広まっていない情報やおすすめの製品を生活者の皆さんに発信して、多くの人が持つ髪や頭皮の悩みを解決してあげたい。そう考えたときに、生活者に直接アプローチができるBtoC企業で、商品価値や情報を効果的に人々に伝える「マーケティング」の経験を積むという新たな道が見えてきました。
しかし、転職活動は想像以上に難航しました。マーケターを募集している会社を何社か受けたのですが、研究者がいきなりマーケティングの畑に入ることを不思議に思われてしまうんです。そんな中で、私の挑戦をポジティブに受け取り、声をかけてくれたのがファイントゥデイでした。設立間もない少数精鋭の会社だからこその自由度や、研究者としてR&D本部に所属しながらブランドマーケティング部と二人三脚で生活者に働きかけられる職務内容に惹かれ、入社を決めました。
驚いたのが、ファイントゥデイが前職とは比べものにならないほどマーケティングに力を注いでいたことです。当社では海外専売品を開発することも多いのですが、その際の現地調査への投資量には目を見張るものがあります。そこには、生活者の悩みを深く知って寄り添おうとするファイントゥデイらしい姿勢が表れていると感じます。
ただ「髪を良くする成分」を配合するだけでは、いい製品は生まれない。
現在の私の役目は、一言で言うと“翻訳者”。マーケターの頭にあるアイデアやイメージを言語化して製品設計に落とし込み、研究情報と統合して製品開発に反映させる のが主なミッションです。仕事内容としては、新製品にどのような成分を配合してどんな効果を訴求するかを考える「製品設計」という仕事と、製品の価値をSNSなどでどのように伝えるか考える「PR・プロモーション戦略策定支援」の2種類があります。
前職から大きく変わったのは、やはりマーケティングの要素が加わって「生活者視点」で物事を考えるようになった点ですね。以前はたとえ難しい内容だとしても、お客さまである美容師に時間をかけて説明できたのですが、今は「いかに短時間で生活者の心を掴むか」を常に想像しながら製品づくりを進めています。そうでなければ、まず使っていただくことすら、難しいのが現実です。 今は「生活者の手に渡ったときのこと」を常に想像しながら製品づくりを進めています。
使っていただけたとしても、たとえ髪に良い効果があるシャンプーだとしても、香りやテクスチャーが望んでいたレベルでなければ使い続けてくれませんよね。 特に化粧品は身体だけでなく精神面にも大きな影響を与えやすく、使っていて気分が上がるかが重要な選定ポイントとなりやすいアイテム なので、実際の効果・効能と同じくらい「香り」「泡の立ち方」「すすぎやすさ」といった使用感も大切になるんです。そのため製品設計は一筋縄ではいかないものですが、狙いどおりの製品が作れたときには、大きな達成感がありますね。
この仕事の魅力は、生活者からの反応をダイレクトに感じられることです。BtoCのビジネスであるため、自分が開発した製品の反応が売上やクチコミなど目に見える形で返ってくるのがとても面白いんです。たとえば中国でfinoの宣伝を行ったとき、日本とは趣向を変えて「髪のなめらかさ30%UP」など製品の効果を数字で訴求したところ、ECサイトのアクセス数が跳ね上がったことがありました。当社では現在国内9拠点、海外11拠点に商品を展開していますが、国や地域によって人の心に刺さる表現が違うんですよね。中国の化粧品に関する法律を読み解き、訴求を裏付けるデータを取得して…と、初めての仕事に奔走したのも思い出に残っています。
私の今の目標は、人々の美容習慣を変えていくこと。約60年前、世の中に「リンスをする」という習慣が広まったことで多くの人の髪がサラサラになり、楽しめるヘアスタイルの幅が広まりました。今後さらに美容習慣がアップデートされたら、より多くの人々の悩みが解消され、もっと幅広い髪型や髪色が楽しめるようになると思うんです。その一歩を私が後押しできたなら、こんなに嬉しいことはありません。チャレンジを後押ししてくれるファイントゥデイで、この大きな夢を追いかけ続けたいと思います。
*本記事の内容は、2024年10月現在の情報を基に記載しています。