ファイントゥデイが巻き起こす、
未知なるオープンイノベーション。
2023年11月に中途入社。国内大手ガラスメーカーの研究員、外資系化粧品メーカー基礎研究部門でのオープンイノベーション推進担当を経て現職。前職では、国研との共同研究センターも設立し、責任者として活躍。現在は基礎・基盤研究部のVPおよび技術IP戦略G マネージャーを兼務し、各部門の統括や、R&Dの中長期戦略策定、技術知的財産の戦略・計画の策定や実行、先行技術開発の推進などを担う。
当社のR&D組織は始動したばかり。だからこそ大変で、面白い。
私がこれまでのキャリアでメインテーマとしてきたのは、企業が自社だけでなく他社や大学、官公庁、社会起業家などと協業してアイデアや技術を取り入れ、革新的な製品・サービスや事業を創出する「オープンイノベーション」です。
初めてオープンイノベーションに触れたのは、1社目のガラスメーカーで2年半ほどベルギーの子会社に赴任したときのこと。日本の組織と比べると数分の一の規模でしかないベルギーの組織が、政府や外部パートナーを巻き込んで非常に大きな規模の研究開発プロジェクトを推進しているのを目の当たりにして、強い衝撃を受けました。その後、よりオープンイノベーションの推進に注力できる外資系化粧品メーカーに転職し、国研との共同研究センターの立ち上げなどを経験しました。そして2023年、ファイントゥデイに参画し、現在に至ります。
ファイントゥデイに入社した理由は、ユニークな会社環境に興味が沸いたからです。当社は、資生堂から引き継いだ1000億円規模のビジネス基盤がありながら、組織としては2021年に設立したばかりでまだアーリーステージにいる状態の会社なんですね。この特殊な環境で、過去の経験も活かしたイノベーションを実現させたいと考えました。
現在は、ファイントゥデイの未来を創る先行技術開発と、研究開発に欠かせない特許、原料、安全性などの機能部門を統括する「基礎・基盤研究部」のVPとファイントゥデイ全社の特許戦略と実行を担う「技術IP戦略グループ」のグループマネージャーを兼務し、主にR&Dの中長期戦略の策定や各プロジェクトの推進・管理を担っています。
「3人からスタートして3年で10倍以上に成長した組織」といえば想像がつくかと思いますが、当社のR&D組織はまだまだ始動したばかりで、製品開発を推進しながら、並行して体制や仕組みを整えている真っ最中です。必要最低限の人数で業務を遂行していますが、各メンバーにとっても初めてのケースという場合も多く、予期せぬトラブルもよく起こります。また、大手企業や老舗企業と比べると、リソースも限られていると言わざるを得ません。
それでも私は今、自分の仕事に大きなやりがいと楽しさを感じています。なぜなら、成長過程にある組織が目標に向かって少しずつまとまり前進していく。そんな"一体感の醸成“を実感することができるからです。
今のR&Dには前職で豊富な経験を積んできた研究員が集まっていますが、それぞれが持っている価値観や常識は多様です。なかなかこういう環境も珍しいと思います。しかし、一緒に働いて少しずつお互いを知っていくと、だんだんとベクトルが合ってくるんですよね。そして、周囲の大多数の人が「間違っている」「うまくいくわけがない」と考えていることでも、いざ試してみて、上手くいくと、皆の考え方が一気に変わることもあります。そんな、組織のベクトルが合っていく瞬間に立ち会えるのは、日々試行錯誤を重ねている今だからこその醍醐味だと思います。
求めるのは、論理と感性の両軸を磨き、常識に囚われず道を切り拓く人。
基礎・基盤研究部では、現在2つの目標を掲げています。まず1つ目は、新しい技術や知見を作り上げて、ファイントゥデイにまだ見ぬ価値をもたらすこと。2つ目は、機能部門の成果の“価値転換”を図ることです。
技術IP戦略グループのようなR&Dの組織内にある、いわゆる機能部門は、特許、原料、安全性など、維持・管理するのがミッションであるため、ともすれば価値を生み出さない受け身な組織だと捉えられがちです。しかし実際は、さまざまなリスクを未然に防ぎ、会社を守るという、マイナスをゼロにする働きをしてくれているんですよね。それらの実績も重要な価値と考え、メンバーも「自らが価値を作っている」と胸を張って言えるような、能動的な組織にしていきたいです。
私の今後の目標は、周囲から「そんなことできるはずがない」と思われるようなことにチャレンジし、実現させること。そのために、これまで私が培ってきたオープンイノベーションの経験も活かせたらと考えています。
これからファイントゥデイでオープンイノベーションを推進するにあたっては、「新たな技術や知見を外部から得る」という方法と、「まったく畑の違う業種とタッグを組み、今までにないイノベーションを起こす」という方法の2つが考えられます。この2つをうまく使い分けて、前例のない製品やサービスを生み出してみたいですね。
実際に現在、他社と連携した研究プロジェクトも動いているんですよ。研究内容は、人間の目の動きを追跡する「アイトラッキング技術」を用いて、他人の髪を見るときの視線を観察し、ヘアスタイル全体をどのように評価しているかを調査するというもの。アイトラッキング技術のリーディングカンパニーであるトビー・テクノロジーと協業させていただきました。ヘアケア業界では初の試みで、学会発表でもポジティブな反響をいただいています。
今後一緒に働いてみたいのは、原理原則に基づく再現性を保つために欠かせないサイエンティストとしての「論理性」と、独自の観点から唯一無二の製品を生み出すようなアーティストとしての「感性」の、両軸を磨こうとしていける方です。論理性と感性はお互いを補完し合うもので、どちらの側面も大切にできる方はきっと当社で活躍できるはずです。
そして何より、混沌とした今の組織環境を「面白い」と感じてくださる方を、ファイントゥデイは歓迎します。立ち上がって間もない職場だからこそ、新しい挑戦はウェルカムです。常識にとらわれず、自ら自由に道を開拓してみたいという方はぜひ一度ご連絡ください。
*本記事の内容は、2024年10月現在の情報を基に記載しています。